鬼姫マラントデイズ
猫又はふっと笑った。





「お前にとって、結構大事な人だったりするのではないか?」





…え?




「お主の表情を見たら分かる。

ただの、一友人とそんな関係だったら、酷く悲しそうな顔などしてないわ」



「え⁉︎わ、私そんな顔してた⁉︎


ていうか…私にとってあいつって、そんな相手、なの…?」





「…お主自身が気付いてないのかもな。

大丈夫だ、すぐ気付くだろう。



お前が抱えている秘密がどれほどの大きさなのか知らんが…



ちょっとづつ、心を開いてやってくれ。


それがそいつのためにも…お前のためにもなるだろう」






そっ…かぁ……




…やっぱり嫌だもん、ちょっと距離ある感じな関係は。


そのせいか最近ちょっとつまらない感じもする。


なんだかんだ、律希との言い合いも…楽しかったのかも。






「……ありがとう、本当に」


「ああ、大丈夫だ…

それに、そいつももうすぐ来るだろう」



へ⁉︎な、なんで⁉︎急に?


律希が⁉︎



「……あえて口に出さないが、そいつは妖力が分かる人間なのだろうな。

わしの妖力と、お主の妖力が近付いてることを知って、心配したのか…走ってくるな」




「心配⁉︎あいつが⁉︎」



ま…さかぁ…そんなこと、あるの?







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