鬼姫マラントデイズ
けど…凜の言動から、私はさっきから疑問に思ってることがある。



「ねえ、凜…じゃあ凜は妖力、感じ取れる?」



私の質問に凜は少し微笑みながら、いつもの笑顔で答えてくれた。



「ううん、全然。
ただ、陰陽師の家柄の人の妖力は少し感じ取れるの。

律希が不審な動きをしてる、そう感じ取れたから…ここに来たのよ」



…言い終わる頃には、律希へ鋭い睨みをかましてましたが。





…じゃあやっぱり…勘違いしてる?


きっと律希も私と同じことを思ってる。

さっきから考え込むような顔つきしてるし。




『妖なんかを見せたくなかった』



…ごめんね凜、心配させて。


私…見る以前に、一応つい数ヶ月前までは鬼の村に住んでいました!


いろいろな妖と挨拶を何度も交わしましたから…!




「うぅ……ごめん、凜」

「え、ちょなんで霧花が謝るの?

なんで律希はそんなやれやれって感じの顔してるのよ⁉︎」




…絶対気付いてないパターンだ、これ。



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