鬼姫マラントデイズ
「私は…鬼の一族族長の孫娘。

次期族長の座にいた者……」



それも過去形だけれど。

この言葉は、初めて会う妖の一族の族長たちに向かって挨拶する言葉。


初対面の族長さんたちにはこの言葉をよく使ったんだよね。




「そん、な……」


凜は驚きと戸惑いが混ざった顔をしていた。


そりゃそうか、

親友が鬼だったなんて。



「…ま、私は混血。

鬼の一族を追放されたから…もう、鬼として認められないかもね」



私は自嘲気味に笑った。

今でもそう思うと、少なからず心が痛む。




「律希にバレたのが運の尽き…ま、いろいろあって交換条件として

私は裏生徒会に入ったの」



自分でも驚く程冷静だった。

凜はもうキャパオーバーなのか、頭を抱えて「え?え?」とつぶやいていた。





「霧花は…鬼だったってこと?

だから、裏生徒会にも入って…物の怪たちとも戦えたの?」


「…うん」


「…わ、私…全然気付かなかったやぁ」




はは、と凜が笑う。


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