鬼姫マラントデイズ
そして、時間は過ぎて。
「じゃあ、本当にありがとうね霧花」
「いえ!大丈夫です!」
「邪魔したな」
「いや、私も楽しかったし!
ね、金鞠!」
「うん!」
律希はさっさとエレベーターの方へ向かい、帰っていった。
金鞠もトイレ行きたかったらしく、先に部屋に入っていった。
…部屋の外にいたのは、私と先輩だけ。
「霧花、僕…嬉しかったよ。
この能力も、
人前で偽っている自分も…大っ嫌いだったから」
「…先輩は、優しいだけなんです。
それに、その能力は素晴らしいじゃないですか。
形はどうであれ、人を守る能力なのでしょう?
平井家の中でも…特別優しい平井先輩だから、
その守る力が強くなったんじゃないですかね」
そう言うと、平井先輩はふっと吹き出した。
なにが面白かったのか、よく分からないけど…
「…霧花、こんなこと言っちゃいけないのかもしれないけどさ。
僕は霧花にこっちへ来てもらえて嬉しいよ」
「そう言われると、私も嬉しいです」
お互い微笑みあう。
私も…鬼の村を離れて悲しいのは確かだけれど、
ここに来て…みんなに出会えてよかった。
凛に、金鞠に、律希に、平井先輩に。
「…じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
パタン、と閉じたドア。
ドアにもたれかかると、自然と笑みがこぼれた。
…なんだか、私の心は少し軽かった。
「じゃあ、本当にありがとうね霧花」
「いえ!大丈夫です!」
「邪魔したな」
「いや、私も楽しかったし!
ね、金鞠!」
「うん!」
律希はさっさとエレベーターの方へ向かい、帰っていった。
金鞠もトイレ行きたかったらしく、先に部屋に入っていった。
…部屋の外にいたのは、私と先輩だけ。
「霧花、僕…嬉しかったよ。
この能力も、
人前で偽っている自分も…大っ嫌いだったから」
「…先輩は、優しいだけなんです。
それに、その能力は素晴らしいじゃないですか。
形はどうであれ、人を守る能力なのでしょう?
平井家の中でも…特別優しい平井先輩だから、
その守る力が強くなったんじゃないですかね」
そう言うと、平井先輩はふっと吹き出した。
なにが面白かったのか、よく分からないけど…
「…霧花、こんなこと言っちゃいけないのかもしれないけどさ。
僕は霧花にこっちへ来てもらえて嬉しいよ」
「そう言われると、私も嬉しいです」
お互い微笑みあう。
私も…鬼の村を離れて悲しいのは確かだけれど、
ここに来て…みんなに出会えてよかった。
凛に、金鞠に、律希に、平井先輩に。
「…じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
パタン、と閉じたドア。
ドアにもたれかかると、自然と笑みがこぼれた。
…なんだか、私の心は少し軽かった。