鬼姫マラントデイズ
そんな中、初めて僕と同じぐらいの年の子で

やっと信じられる人ができた。




「お前のその顔、ムカつくんだけど。

へらへらしてて気持ち悪い」



僕の笑顔を初めて見抜いたのは、

親でもなく、付き人でもなく、



律希だった。







昔からよく笑う子だったとは思う。


日常生活でも笑うことは多い。




…けどその中には確かに、

偽りの笑顔が半分は紛れていた。





…けれど、2人目ができたんだ。



僕の心をさらけ出せる、2人目。





「先輩は優しいだけなんです」






彼女の本心を見ることは、怖かった。



けれど、見ても…怖くもなかった。





だって、


彼女はいつも本当に思ってたことを、口に出していた子だったから。







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