鬼姫マラントデイズ
そんな彼女に惹かれるのは当然だったと思う。




今、彼女と別れてからも


未だ、彼女のことばっかり考えていたから。




心の中全てが…彼女で埋まっていく。





こんな感情は初めてだった。


今まで、本当に愛することができる人を探したくて

2、3人関係を持ってみた女の子がいたけれど、



こんな感情にはならなかった。







「あら、おかえりなさい」




部屋の奥から通った声が聞こえた。





「あ、お母さん、いたんだ」



「うん。

たまには来なきゃね!」





僕は基本1人暮らし。


けれど、月一ぐらいお母さんが来る。



霧花が引っ越して来た日もたまたまお母さんがいた日だったから、お母さんは霧花と挨拶をしたこともある。





「あら…なんか、顔、緩いわよ?」



「…え?緩いって、なに?」




僕の質問にお母さんは笑交じりに答えた。




「なんか、表情が緩いってことよ。

良い事あった?」






…あれ。


おかしいな。






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