鬼姫マラントデイズ
「おい霧花、お前まだ鬼のままだぞ」




「あ、本当だ!ありがとー」




急いでふっと体に妖力を込めて、人間の姿になる。




「霧花の髪色って黒っていうかは紺色だよね。

可愛い」



「おい何気に触るなよ大地」



「なんで律希に言われなきゃいけないのさ?」




先輩が私の髪を触りながらそんなことを言う。



…今日の先輩は、なんか甘い。






「もう遅いし、送ってってやるよ」




「ありがとー…って私すぐそこだけど律希?」




「…ま、細かいことはどうでもいいだろ」







その後も冗談を言い合ったりしながら私たちは校舎へと向かった。




だからきっと…2人は気づいていない。








確かに戦った時…私の中の『なにか』が騒いだ気がした。




なんの理由もないのに…変に私は確信した。






私たちを襲おうとしていたのは、確かに






鬼だった。










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