鬼姫マラントデイズ
確かにさっきも感じた…黒い細いものを投げたのは、確かに鬼だ。



それを言うべきなのかな、律希に…



いや、今はそんなこと言う時間なんてない。





急いで学園に戻った私たちは、真っ先に森の方向へと走っていく。




奥の奥まではしると、途端律希が立ち止まって…振り返った。



その目は真剣そのもの。


少し怖いとまで感じてしまったほど。






「…解除」


そう言って私は指をパチンと鳴らす。


術が解け、鬼の姿に戻るとすぐに律希の横へ行った。





「…敵の目的を知らなきゃな。

確かに敵は妖だ…物の怪なんかじゃない」




「うん。なんで私たちを襲うのか…知らなきゃね」





律希はまだ敵が鬼だってこと、分かってないのかもしれない。



けど鬼なら好都合だよ、律希がいるもん。



…でも、律希は私がいたらやりにくいかもな。








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