鬼姫マラントデイズ
律希に…言うべき…?



敵が鬼だってこと…!





けど、私には…まだ勇気が出ない。


かつての仲間の鬼を…敵に回す、勇気を。






「…律希…」



小さい声でつぶやくけれど、下の方で未だ攻防を続けている律希には届かなかった。



…ねぇ、届いてよ…届いてよ……!






「っ、くっ…!」





ガキィン!と刀が弾かれるような音が響き、我に返った私は急いで目を向ける。




そこには、水と電気の融合体でできていた律希を襲おうとしていた風を、彼が刀で弾いた瞬間だった。





…あの、風…!

強い術…天候系の術は、高度な物。

私も少ししか、かつ小さい物しか扱えないし。





けど…2つの術の融合体でできた術、しかも天候系に分類される風の巻き起こし…!





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