鬼姫マラントデイズ
目的は…なに?


私を追放しておいてなぜ、なお関わり続ける?




「もう…いやぁ…」


「…霧花……」




そんなことをしている間にも時は進む。


鬼の村では、日々退屈だった。


愛想笑いと術の稽古ばかり。



娯楽の時間といえば、近所の子供たちと遊ぶことか幼なじみと話すことだけ。





…けど、人間界は忙しい。




赤ん坊は泣く。

子供は学校へ行く。

大人は仕事場で働く。

老人は老人同士おしゃべりをする。






…そう、この人間界は忙しい。



…そんな忙しさが、心地いい。






そう思い始めたのはいつだろうか。





…嗚呼。




皆と、出会えてからか。



裏生徒会と、出会えてからか。





…元なる律希と、出会えてからか…





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