鬼姫マラントデイズ



「あ、おはよ霧花。

遅刻ギリギリじゃん?」





教室に入り、席に座った途端凛に挨拶をされる。



…いつもなら、当たり前で…嬉しいはずなのに。





「…あ、うん…ちょっと寝不足でさ…」



「へぇ〜。

あ、ちょっと昨日の国語課題で聞きたいことが…」



「ご、ごめん!

ちょっと私…用事あるから!」



「え⁉︎
ちょ、ま…霧花⁉︎」





教室を出て、当てもなく学園の中をうろつく。


唇を噛んで…ただ「ごめんなさい」を繰り返す。




足の向く先に任せて、私は早歩きで廊下を進む。




SHR開始のチャイムが鳴っても、その足は止まらなかった。




…今戻っちゃ、ダメだ。



SHRが終わったら、きっと凛に話しかけられるから。





私が結局教室に戻ったのは1時間目が始まる寸前。


具合が悪く、保健室に行っていたとウソをついた。




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