鬼姫マラントデイズ
「…もう、十分強いよ、金鞠は。
私とは違って」
小さく、金鞠に気づかれないようにそっとつぶやく。
金鞠はくるんと私の方を振り返って、「なんか言ったぁ?」と可愛らしい笑顔で問うた。
なんでもないよ、と答えると「そっかぁ!」と言って、またランドセルを愛で始めた。
…私は、弱い。
決して戦闘能力の弱さではなくって。
心の問題。
人間として生きていきたい…私は強くそう思った。いや、確信したんだ。
けど、今鬼の皆が現れて。
『一緒に戻ろう』
そんなことを言われたら…私はなんと言うのだろう。
私とは違って」
小さく、金鞠に気づかれないようにそっとつぶやく。
金鞠はくるんと私の方を振り返って、「なんか言ったぁ?」と可愛らしい笑顔で問うた。
なんでもないよ、と答えると「そっかぁ!」と言って、またランドセルを愛で始めた。
…私は、弱い。
決して戦闘能力の弱さではなくって。
心の問題。
人間として生きていきたい…私は強くそう思った。いや、確信したんだ。
けど、今鬼の皆が現れて。
『一緒に戻ろう』
そんなことを言われたら…私はなんと言うのだろう。