鬼姫マラントデイズ
イチノヤ メツキ
*
「…ごめん、今日は、ちょっと無理」
律希がそんなことを私に言ったのは、あの人の名を思い出した次の日の放課後だった。
「あー…了解!
なに、会議的なやつ?」
周りに聞こえないように小さな声でつぶやく。
…ま、放課後の教室は騒がしいから、
周りに生徒には聞こえないだろうけどさ。
けど、学園の中でもかなりのイケメンである律希は、
赤のメッシュという派手な風貌も含め、目立つ。
うちのクラスでも惚れちゃった子が何人もいるんだ…はぁ。
そしてそんな噂を聞くたびに、なんか胸の中でモヤモヤとしたものが生まれる。
ま、律希本人と話したらすぐ晴れるモヤモヤだけど。
なんだろうね?
「おい、聞こえてるか」
「あ、ごめん。ちょっとトリップしてた」
「…はぁ。
そ、最近会議多いんだよね。
それも全て、俺の父さん…いや、長がさ、
最近兄に代を譲ろうとしてるからなんだけど」
…なるほどね、最近律希が一緒に帰れないのにはこんな裏事情が。
毎回会議、としか聞いていなかったからなぁ。
「そっかぁ…ねえ、今日の会議って家でやるの?
それとも呉服屋?」
「いやー…多分今日は家だけど」
「良かった、私今日呉服屋行こうと思ってたから。
滅希さん、強いじゃない?私の妖力嗅ぎ取ったら…怖いしさ」
「…ごめん、今日は、ちょっと無理」
律希がそんなことを私に言ったのは、あの人の名を思い出した次の日の放課後だった。
「あー…了解!
なに、会議的なやつ?」
周りに聞こえないように小さな声でつぶやく。
…ま、放課後の教室は騒がしいから、
周りに生徒には聞こえないだろうけどさ。
けど、学園の中でもかなりのイケメンである律希は、
赤のメッシュという派手な風貌も含め、目立つ。
うちのクラスでも惚れちゃった子が何人もいるんだ…はぁ。
そしてそんな噂を聞くたびに、なんか胸の中でモヤモヤとしたものが生まれる。
ま、律希本人と話したらすぐ晴れるモヤモヤだけど。
なんだろうね?
「おい、聞こえてるか」
「あ、ごめん。ちょっとトリップしてた」
「…はぁ。
そ、最近会議多いんだよね。
それも全て、俺の父さん…いや、長がさ、
最近兄に代を譲ろうとしてるからなんだけど」
…なるほどね、最近律希が一緒に帰れないのにはこんな裏事情が。
毎回会議、としか聞いていなかったからなぁ。
「そっかぁ…ねえ、今日の会議って家でやるの?
それとも呉服屋?」
「いやー…多分今日は家だけど」
「良かった、私今日呉服屋行こうと思ってたから。
滅希さん、強いじゃない?私の妖力嗅ぎ取ったら…怖いしさ」