鬼姫マラントデイズ



薄れゆく意識を、無理矢理起こした。







「…ん、ここ…は………」






目を開くと…天井…?



今の私は…ふっかふかの布団に寝かされているらしい。




…そういえば私、倒れちゃって…





あの人の声が…聞こえたから、逃げようとして…






そこまで考えた瞬間、頭がズキン!と激しく痛んだ。





「…くっ……」





懐かしい痛さ。



けどこの懐かしさは、全く持って嬉しくない。





あの日もそうだった。



あの日も、こんな激しい頭痛がしたんだ…







すると目の端で、何かが動く気配がした。




…ふすまが開いたようで。




視線をそちらに向けると…そこには、




「……律希……」





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