鬼姫マラントデイズ
「さて…君たちを『調べ』ようかな」





調べる。




彼が言ったその言葉は、全くもって本来の意味とは違っていた。




彼等陰陽師の調べる、という作業…それは…






「……『炎鳥舞花』」





「…っ、うわあああああああああ!!!!!」





「お母様!」






拷問。尋問。


そんな言葉を隠す、仮の言葉に過ぎなかった。





陰陽師たちは妖らを捕まえると色々な情報を聞き出し、


その捕まえた妖の仲間たちを1つでも多く殺そうと考える。






「…若き女よ。もう1度尋ねる。


お前はなぜ、そんな妖まがいの強靭な肉体を持っている?


この『炎鳥舞花』は常人が受けたら、即死だ。


…人であるお主が、なぜ?」





鬼斬り陰陽師でも、もちろん噂になっていた。


鬼の一族の次期族長が…人の嫁をもらい、混血の子を産んだのだと。




そして…嘘まがいの噂がもう1つ。




『嫁となった女は、妖の力を少しもらい、

術こそできぬものの強靭な肉体を得た』






決してこれは…嘘などではなかった。




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