鬼姫マラントデイズ
母親は鬼の一族が独自開発した新たな術で、



妖のように簡単には死なない強靭な肉体を得たのだ。




この噂を聞きつけた鬼斬り陰陽師たちは、


自分たちがその術を使うことによって…味方をもっと増やせるのではないか。




そう思い、母親を捕まえ、


どんな術を使ったか聞こうとしてたのだった。





「あっあぁ……」



「…口の固い女だな」




炎鳥舞花。



今まで扱えた陰陽師は、たった2人。




1人はずっと昔の鬼斬り陰陽師。




2人目は…当主滅希であった。





「お願い、お母様を苦しめないで!…きゃっ!」





「黙ってろ!滅希様が話すのを許可していないだろ!」




広い広い拷問部屋で、愛する娘の前で術をただただ受ける母親。




もう…体は限界だった。






「お願いです…お願いです。
話します。話しますから…どうか、霧花だけは。

霧花だけは…助けてくれないでしょうか」




「…どうしますか?滅希様」



「もう少し聞いてみよう」




人が良い滅希だ。少しなら、と耳を傾けた。




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