鬼姫マラントデイズ
「私たちが住む世界での秩序のようなものです。


お互いが憎しみあわなくなり、逆に仲良くなってしまったのなら…


今度はまた新たな敵を探し、長く恨みあう。


妖と陰陽師の関係は…これが普通で、当たり前で。




決してお互い握手をしてはならない。絶対的な運命で縛り付けられた、



生粋の敵なのです」





自分でも、自分自身の口からこんな言葉が出るとは思わなかった。



けれど、思ったよりもスラスラと出て来た言葉。





「…確かに君の言う通りだけれど、

意外だよ。

君は…仲良くするべきだ、そう私に言うと思っていたよ」




くっく…そう、不敵に滅希が笑う。



…もちろん、老けたけれど。


彼は、あの頃と変わらない。






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