鬼姫マラントデイズ
けど…今捕まっているのは、私。



人間になりたいと切に願っても、きっと離してくれなどしないだろう。




「ふっ…ははは!

面白い、頭の良い君が…そんな勘違いをするとは!」




「…え?」



ど、どうゆうこと?



頭がハテナマークでいっぱいになる。




「私が君を捕まえたのは尋問をしようとしたからではない。

謝ろうと、そう思ったんだよ」




「…あや、まる?」




「そう…君に。


すまない。そう、言わせてくれ。


当主を辞任しようと決めた時から、私の胸の中では後悔ばかりが浮かんだ。


今まで殺めてしまった全ての人に謝りたい気持ちでいっぱいになったんだ。



信じてくれないかもしれないが…そうゆうことだったんだ」





…やっぱり、彼も優しい人なんだ。



私…勝手に勘違いして。失礼にもほどがある。



しかも、人間になりたいなどベラベラ喋っちゃって…正気に戻ったら、恥ずかしいったらありゃしない。




< 255 / 304 >

この作品をシェア

pagetop