鬼姫マラントデイズ


「…ここ、は…」


眩しい。



1番最初に、そう思った。



眩しさに反抗することもできず、また目を閉じる。




変な夢を見た…不吉な夢を見た。




視覚を閉じれば、他の感覚が生きる。



チュン、チュンチュン、と綺麗な鳴き声を奏でる鳥の声が聞こえる。



サァァ…と、爽やかな風の音が聞こえる。



木々が揺れる音がする。





…まるで、鬼の村のような…





ん、ちょっと待って。私、今マンション住人なんですけど。




なんで…こんな音が…?




「っ、!?」



ガバっ!と上半身起き上がる。



…なんで私、布団で寝ているの…?



ずっと、ベッドだったはずなのに…




あれ…?私、昨日どうやって寝たんだっけ?




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