鬼姫マラントデイズ
夢は…本当だった…?





「なんで…なんで……


なんで私が、ここにいるの!?…………妖矢!」




妖矢…それが私の幼馴染の名前だった。



私の唯一の友達であり、

いずれ結婚するという仲であった。






「…どちらにしろ、1度来ようと思ってたんだろ?」





ビクっ!と私の肩が反射的に跳ねるのが分かった。


…なんで知ってるの…




「…私は人間になりたい。

妖矢お願い、私と一緒にみんなにたの…」



「それは無理だ」




私の言葉を遮り、妖矢は少し笑った。




「だってみんな、霧花を歓迎しているんだから」




「え…?」



なに言ってるの。

私は追放されたんだよ?歓迎されるはず、ない。





「族長は…先日、亡くなった」



…突然妖矢の口から出た言葉は、



受け入れがたい物だった。




「!?う、そ…お祖父様が…どうして…!」




< 266 / 304 >

この作品をシェア

pagetop