鬼姫マラントデイズ
お祖父様が…なんで?


数ヶ月前までは、あんなに元気だったじゃない…!




「…霧花、君がいなくなったからだよ」




その言葉に、私は文字通り…固まった。




「君がいなくなってから、族長は1人でいる時寂しげな表情を浮かべるようになった。

気もどんどん病んでいき…


先日、亡くなった」





お祖父様…お祖父様……



お母様がいなくなって、お父様が後を追うように亡くなって。



私の血が繋がっている家族といえば、お祖父様しかいなかった。



お祖父様は厳しい時はあるけれど、2人でいる時はどこにでもいる祖父と孫。




…大好きなお祖父様の、



葬儀にも…参加できなかった。







「…私…バカみたい……」





人間界で浮かれている間に、お祖父様が亡くなってしまった。



お祖父様が私のことを思っている間、私は無理矢理鬼のことを考えないようにしていた。




「…ごめんなさい、お祖父様……」






ごめんなさい、ごめんなさい。




謝っても許されないことぐらい分かってる。




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