鬼姫マラントデイズ
ただ、謝られずにはいられない。




「ごめんなさい、ごめんなさい…」



言葉はその6文字以外、なにも出てこなかった。



ただ無心に、その6文字を復唱し続ける。




声が枯れる。涙が溢れる。思い出が蘇る。自己嫌悪に陥る。






「……霧花」





…すぅっと、体が温もりに包まれた。



その瞬間、私の口から言葉が出なくなる。





「…この村には君が必要なんだよ、霧花」





どうして。





そんな言葉を発すること自体が無意味だってことぐらい、私は分かっていた。



自分でも分かるんだ。




族長の血を継ぐものは…ただ1人。






「族長になれるのは…君しかいないんだ」






いくら私が人間になりたいと望んでも




私は『鬼』に縛られる…





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