鬼姫マラントデイズ
離れられない。



なにからも、私は。





鬼の一族という縛りからも、


妖矢の縛りからも。






弱い。



なんて弱いのだろう、私は。







「…霧花」





妖矢の顔が私に近付いてくる。





…前にも何度か、こうゆうことはあった。




愛なんてない、友達同士の口づけ。







「…好きだ」





それも、決して異性の『好き』という感覚なのではないのでしょう?







彼との久しぶりの口づけは、








私の目から流れているであろう…涙の味がした。









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