鬼姫マラントデイズ
「…………………え?」




顔を上げると、悲しそうな顔をした…幼馴染の姿。





「霧花、君は…それでいいのか?」




「な、に言ってるの…妖矢は、賛成でしょう?」




「…確かに賛成だけど、


…俺は、霧花の幸せを…願う」





…どうして。




諦めたく、なくなってしまう。




皆のことを、諦めたくなくなるから。




お願い、そんな顔…しないでよ。





「…矛盾してるよ、妖矢」




「自分でも分からないんだ。

霧花を助け出そうと1番躍起になったのは…自分なのに。


今じゃ、霧花を応援したくなってるんだよ」





…妖矢。




お願い、やめて、




ここで私を止めてよ。





じゃなきゃ、私は…







逃げようと、もがきだしてしまう。






この『檻』から…






< 278 / 304 >

この作品をシェア

pagetop