鬼姫マラントデイズ
「…あぁ……」



なぜ、こんなにも。


戦いあうの。



私なんかのために。なんで…





「お母様」





あなたは、きっと今も私を見守ってくれているでしょう。



そしてきっと、後悔しているでしょう。



禁断の術の副作用…不幸が自身と周りにいくということ。





「…ねぇ、どうして」




私に幸せなんて、いらなかったのかもしれない。


追放されたらされたで、1人職にでもついて…1人暮らしていけたじゃない。




私はなんで幸せを願ったの。





「…きりかだ!

霧花、こっちー!」






懐かしい、愛おしい…私の妹のような存在のあの子の声。





無邪気に叫んでいるけれど…その声も少し掠れている。




…金鞠も、戦ったのだろう。




「霧花!無事だったのね!」


「良かった…!」



「霧花、こっち来い!!」





3人の声も続いて聞こえた。




…あぁ。



足が、勝手に動いてしまう。



行ってはいけないのに。



ダメ、ダメ。



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