鬼姫マラントデイズ
「甘い」




ヒュンッと日本刀の先が……『一瞬』天井から見えた。




相手は、左でも右でもない……上だ‼︎



「光雷魔の弓‼︎」



私は指先にぐん!と力を込め、矢を放つ。


放たれた矢は風をきり、目指す場所は…天井!



バチバチと電気を放つその矢は、天井に届く寸前…真っ二つに切り落とされた。




やっぱり…天井だ。




「……そろそろ正体、現してよ」



「……現したらお前、死ぬよ?」


「っ、あんた、鬼なの⁉︎

私の命を狙ってるのか知らないけどねぇ、もう私は鬼の一族から追放された身!

お爺様とも関係ないし、族長の跡継ぎもしないから!


そうゆう目当てなら…やめとけば?」




つい感情的になっちゃった…


初対面?と思われる鬼にこんなにベラベラと…なにを言ってるの、私。



しかも鬼ならこの国のどこにいようが、噂で回って知ってるはずじゃん…


族長の孫が追放されたって。



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