鬼姫マラントデイズ
「おかえりなさいー!きぃりぃかぁーー!」



「…びっくりした、本物だよね?霧花」





「本物に決まってるでしょ先輩ぃぃ!ばかなんですかああぁぁ!

あいたかったぁ、霧花あああ!!」



ばかばかばかぁぁー!と泣きながら言って抱きついてきた親友含め、

私は皆に笑いかけた。


目に涙がたまる。


久しぶりに会えて…嬉しくって。





「…なんか凄い意味深な言葉、俺に残してったよね?」




律希が黒い笑みを浮かべて、私に近づいてくる。



…すいません、怖いです!


私も今思い出すだけで恥ずかしいので、掘り返さないでください、過去は!






「…なに、俺自惚れていいの?」






律希はふざけたように言った…けど、


目は真剣で、まっすぐ私を見つめてくる。







「…うん、もちろん!」







私がそう言うと、律希は…綺麗な笑顔を浮かべ、私を抱きしめてきた。





「ちょ、律希私たちのこと忘れてない?

私も霧花大好きなんだから!私がぎゅーってしてたんだからね!?」





「そうだよぉ、お兄さん!

離せ、離せー!あたしも霧花とぎゅってしたい!」





「2人の言うとおりだぞ、律希。

僕たちも霧花と抱き合う権利は…」


「お前は黙ってろ大地!お前、男だからな!?」





すぐに皆が大きな声で笑う。


私もつられて笑ってしまった。






バクバクと高鳴る心臓も、彼等の漫才のような会話のおかげで…大分おさまってゆく。





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