鬼姫マラントデイズ
矢が天井あたりへを射抜く寸前…



ぼぅ!っと、辺りが真っ白な煙で包まれた。



「ごほっ、ごほっ…逃げる気⁉︎」



絶対に逃げさせないんだから!

こうなったら…!



がむしゃらに攻撃だ!




私は妖力を込めない、ただの『矢』を勘を信じて射抜く。



「…っ、チッ!」



「⁉︎あ、当たった⁉︎

そこか!」



私はもう1度矢に妖力を込める。



「『雲隠れ…壊滅!』」




真っ黒な矢は…扉があった方へと進む!



コトン、そう音がした瞬間…




目の前の真っ白な世界は、途端明るくなった。




「……晴れた…


って、どこ⁉︎あの妖は⁉︎」




「………ここだよ、バカ。

見えないのか」




は⁉︎う、上から⁉︎



私は急いで上を見る…すると、そこには信じられない奴がいた。


天井から、ストン、と下へと降りるそいつ。



「なっ…や、やっぱり……


あんた、何者⁉︎」



真っ黒な髪には赤いメッシュが入っている。


目は深い黒で…細い体に、整った顔立ち。



人型の妖かと思ったけど…違う!



どうみても、人間だ!




「……『鬼の一族』も落ちぶれたな」


「は⁉︎や、やっぱあんた私のこと知ってんじゃないの!」


「まぁ…そりゃ知ってるよ。

俺の姿見てもわかんないの?元お嬢様?」



む、ムカつく、やっぱり……!


そう思いながら奴の顔を見る。







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