鬼姫マラントデイズ
いやいやいやー…そんなミラクルあります?

いや、あるわけないでしょう!



「僕の家さ、不動産業をやってるんだけど…

父さんに頼んだら学園に近いこのマンションを取ってくれたんだよね。

けど最上階は僕の家の会社で使ってるんだ。


そしたら34階の一室なら空いてるって言われて…」




ま、マジかああぁぁぁ!


いやいや、学園の女子全員から目の敵にされそうなシチュエーション!


「はは、そうなんですかー…

あ、でも私ここに越して来た時挨拶しに行ったら女性が出て来ましたよ…?」



ここに来て1日目に行ったんだよ、隣の部屋の人に。


そしたら30代前半ぐらいの綺麗な女の人が出て来て…



「あ、多分それ僕の母さんだ」



「母さん⁉︎

え、めちゃくちゃ若かったですよ⁉︎」



も、もしや複雑なご家庭で…?


「あー…勘違いしないでね、ちゃんと血は繋がってるさ。

ここだけの話、実際は40前半だよ」


「うっそぉ…」



めちゃくちゃ綺麗な人だったのに…

あの人が、40代…!




「僕の家に月1ぐらいで来るんだよね。

確かに数ヶ月前に母さんから『挨拶でもらった』とか言ってお菓子をくれたなぁ…

それは霧花だったんだね!」


「そう、みたいです…」


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