鬼姫マラントデイズ
「お前がいなくなったら…子供たちが悲しむだろう。

みんなのお姉さん、がいなくなるんだからな」



「…最後にみんなに会いたかったな」




このとてつもなく広いお屋敷には2つの家族が住むの。


1つは私の家…もう何百代も継ぐ、族長の家

もう1つが幼なじみの彼の家であり、副族長の家。



幼なじみの彼には優しいお兄さんがいて、その人が次の副族長を継ぐと言われてる。

だから、血の薄い私の婚約者が彼になった。




……ま、そんなはからいも今日でパアだけど。





大勢の使用人たちの子供は、ここから少し離れたところに住む。



私はたまにふら〜っとそこへ行き、子供たちと遊んでいた。



その子供たちとも…もう会えないんだ。




一気に『追放』の言葉の重みがのしかかる。



混血の者は、10になるまで育てて即追放。

けど私は族長の孫娘…一応次期族長、そんなんだったから…



やはり少しは大事にされ、15まで育てあげられた。




けど、それも終わりがくるのは小さい頃から分かってた。







< 4 / 304 >

この作品をシェア

pagetop