鬼姫マラントデイズ
もうエレベーターは30階を過ぎていた。


運良く…いや、運悪く?


人は1人も入ってこない…




どうしよ、沈黙も嫌だなぁ…あ、そう言えば聞きたいことあるかも。



「あの、平井先輩は生徒会長…ですよね?」


「うん、そうだね…一応だけど」


「じゃあ聞きたいことあるんですけど」



そう言うと先輩は首を少し傾げた。

うー…かっこいいだけじゃなく、可愛い面もあるとは。


本当にチートって言うかなんと言うか…!



「あの『裏生徒会』って知ってます…?」



その瞬間、先輩の空気が、ガラッと変わった。

優しい表情は一変、驚いた顔になって…


すぐに少し目を鋭くさせた。



「……霧花、それはちょっとした噂話さ。

気にしないで」



すぐにいつも通りの優しい表情になったけど…



なんか…変。



「あの!…ー」



続けて質問しようとしたところで、チーンとエレベーターが鳴った。



34階…



「じゃあね、霧花。

また学校で」



そう言って颯爽と…先輩はエレベーターを出て行った。


そして2部屋の内の1部屋に、静かに入って行く…





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