鬼姫マラントデイズ
「「あ」」



うーわー…なんというナイスタイミング!


まさかの平井先輩が、私服姿で部屋に入ろうとしている時だった。




「あ、おはよう霧花。


今日は…着物なんだね、可愛いよ」




「ありがとうございます…」




先輩から可愛いって言ってくれるのはとっても嬉しい!けど、

やっぱり恥ずかしいし…



素っ気なくしてしまった。




……って、ちょっと待って。


私、まだ鬼の姿を解いてない気が…?




エレベーターの中でやればいいかなー的な思考のまま来ちゃったんですが⁉︎




ほら、平井先輩だっておどろいて…!




「じゃあ、僕は今から父の仕事を手伝わなきゃいけないからね。

自室でできるパソコン作業だけど…



じゃ、また!」




ーーバタン…





ない、ですね…?



あれ、おっかしいなぁ。



私でも分からない間に術をかけてたのかな?




頭に手をやってみるけど…ツノの感触はナシ。



やっぱり…人間の姿?




なら、いっか…終わったことは気にしない!ラッキーって思おう!



私はちょっとルンルン気分で、小さな手提げ鞄を持ちながらエレベーターへと向かった。



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