鬼姫マラントデイズ

5歳の時にお父様が心労で死んだ。


10歳の直前になれば周りのお偉いさんたちがザワザワ話し合いをし始めた。


13歳になれば使用人たちが哀れむ目で私を見始めた。



15歳の誕生日を迎えた時…


私はいつもより、鬼の村をあげて誕生日を祝福された。




まるで…これが最後、というように大々的に。





けどそのずっと前からこの日が来るのは分かってたから…

みんなより何倍も人間界の勉強をした。


いろいろな文化から人の特徴、それに人間の子供が習う勉強まで。




だから…怖くないってわけじゃないけどさ。



この後のことは、いろいろ考えてる。




「……お前、この外を出たらどうすんの？


村の外に出れば、そこはもう人間界…



誰にもあまえられないぞ」



「…よくぞ聞いてくれたね。


ほら、これを見てよ！」



じゃーん！と私はパンフレットと呼ばれる冊子を彼に見せつけた。





「『私立 夢乃崎学園高等学校』……？

お前、まさかここに…⁉︎」



「そのまさか」



キラキラしてる写真越しの世界に一瞬で心奪われた。


受験と呼ばれるこの学園に入るための試験は明後日。



戸籍アリ、偽の今までの経歴アリ。


もう受験票も…お爺様に内緒で出していたの！