鬼姫マラントデイズ
けど…ここで戸惑う必要なんて、ない!


そうすぐに思いたつと、勢い良く開ける。



「あ、お客様!」



後ろからさっきの男の子店員の声が聞こえたけど…この際、どうでもいい!



私は急いで身をドアの中へと入れると、すぐに閉め、

ドアに少し妖力を入れて普通の人には開けられないようにする。




「お客様⁉︎そちらは…!って、開かない⁉︎」



ドンドンドン!とドアを叩く音も無視して、前を見据える。



……暗い。

薄暗いここは、どこ…?倉庫かな?



妖力に耐えきれず、私は力を解放する。


頭に少し痛みが走る…けど、すぐにおさまる。


目も同様、痛みが出たけどすぐにおさまった。



本当の姿となった今…


私は妖力の重みも、多少にしか感じられなかった。




『だぁれ……?』


「⁉︎」



なに、今の声…


もしかして、ここにいるのは妖怪じゃなくって…幽霊⁉︎

いや、でも妖力は確かに感じるし…!



でも、今の声…女の子の声。

そう、小さい小さい女の『子』の声……?




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