鬼姫マラントデイズ
「だから、良いと言ったんだよ俺は。



……ただし、条件がある」





最初の言葉で立ち上がった私は…


すぐに『条件』の2文字で気を落としてしまった。



「俺と初対面じゃないってことぐらい…

いくらバカ鬼でも分かるよな?」



「っ、分かってるってそれぐらい!

……旧校舎で会ったことある」



私の言葉に、バカ陰陽師はくっくと楽しそうに笑う。

なにが楽しいんだか。





「さすがに記憶力に異常はなかったか。

そこで…俺が言ったことも、覚えてるよな?

俺は、勧誘したはずだけど」




……悔しいけど覚えてるんだからしょうがない。

ここでとぼけたら、「記憶力にも異常あったか」とか言われそうだし。





「…裏生徒会だとか、そんなふざけたネーミングのところだっけ」




「そ。

そこにお前を入れる」




「断固拒否、絶対嫌、居心地悪そう」




私の三拍子感覚に、また笑い出した。




「良い特典もたくさんあるぞ?
サボってもなんも言われないし、学園内で使うお金がタダになる特権があるし。

なんだかんだ先生も甘いし…なにより、



『普通』じゃ味わえない学園生活があるし?」









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