鬼姫マラントデイズ
………普通、じゃない?




「『異常』ってこと?あんたみたいに」


「俺みたいにはあてはまらないけど、

ま、異常」



「………それは、私の素性にも関係あるの」





バカ陰陽師はバカでも『陰陽師』、

そして私は『鬼』…混血だけど。



普通とは違う、特殊な…常人は信じていないような存在。


だから誘った…ってこと?




バカ陰陽師は微笑みを絶やさず、淡々と言う。




「……面白そうだったから、かな。

ま、裏生徒会には実質お前を入れても3人だけ。

あと1人も普段は優等生してる普通の生徒…授業も受けてるし、

購買とかもちゃんと金払ってるし」



それは普通。うん、常識!


…って、面白そうだったからってなんだ。




「…断ったら?」


「ソイツを俺に引き渡す&俺が家にお前の存在をバラす」



「⁉︎」



……こいつ、卑怯……!



こいつは…私の素性を陰陽師だもん、もちろん知ってる。


ただの鬼じゃなく…一族から追放された元お嬢様、ってことぐらい分かってるんだと思う。



もしこいつの家にバレたら…『鬼斬り』一族にバレたら!

私に味方はいない…


だから、数の差でもちろん負ける。








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