鬼姫マラントデイズ
それに…それ以外にも、バレちゃいけない理由なんてたくさんあるし。



たとえ追放されたとはいえ

一族にも、

お爺様にも、

大切な友達も、


…ずっと一緒だった幼なじみにも




迷惑なんてかけられない。




「………不本意だけど、

分かった、了解……」




私の言葉に彼は、勝ち誇ったような笑みをみせた。




……ムカつく。



「……よく言うでしょ、人間界のグループ関係で使われる言葉…

えと、そう、『ユーレイ部員』ってやつになるつもりだから!」



「…ユーレイ部員って、普通部活で使うんだけど。裏生徒会は部活じゃないっての」


「っ、良いでしょそれぐらい!

けど、ほら…『一応』所属っていうか!」


「顔こまめに出さなきゃ俺が家に報告するだけ」




………完敗。



これからもこいつに…『家に報告する』という魔法の呪文で悩まされそうだ。




「んじゃ、そーゆーわけで。

よろしく、霧花」




神城霧花…私の名前…

どこで知ったんだか。



「俺は、一ノ谷律希(いちのや りつき)」


「…よろしくしたくないけど、よろしく。

…律希」







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