鬼姫マラントデイズ
「おねえ…ちゃん?

ここ………どこ……?」



「……ここね、私の家。

大丈夫だよ、安心して…ここは安全だから。


私しかいないしね」




私の言葉に、彼女は確かに…かすかに微笑んだ。



それはもう、とても可愛らしい笑みで。




「………お姉さん、ごめんね。

あたし、お母さんとお父さんが死んじゃって、1人さまよってたら人間界に行きついたの。


引き込まれるようにね、あの部屋に入っていったんだぁ……」




思い出すように、ポツリポツリと彼女は言った。


もう、子供扱いもできないぐらいに…


彼女はなんだか、大人びていた。



けど…その顔は、子供ながらに…涙を浮かべていたんだ。




「そしたらあの部屋に妖力が溜まっててね…

あたし、お母さんから教えてもらったばっかりの…妖力を吸い取る術を使っちゃったの。


そしたら、自分が分からなくなっちゃって…暴走しちゃった」



「……そっか。

大丈夫、安心して…私は敵じゃないし、今は妖を半分引退してるからね」



私の言葉に、彼女は驚きを隠せない様子でいた。



「なんで?

お姉さん、妖力とても高いじゃない…」




私はその言葉に、笑ってごまかした。


それが効いたのかは、気にしないどこっと。



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