鬼姫マラントデイズ
なに言ってるのか意味分からない。



…ってゆーか、


「ねえ、あんた妖力解放してるでしょ?制御してないでしょ?

オープンすぎ。私の今の姿じゃ苦しい」




認めたくないけど律希の妖力の量は半端じゃない。

『気』になって体から漏れ出てる程。


私だってこの姿だから妖力の気こそ出ないものの、

術を解放すればきっと出るだろう。



でもこの姿じゃ…その『気』が大きすぎて…苦しい。




「…お前も術、解放すれば?」



「だってそんなことしたらあんたの姿が…」



「もうバレてんじゃん」




……そーでした、もうバレてるんでした。


私は仕方なく息を吐くと、


体の力を…ふっと、抜いた。




「……解放」



頭に少し痛みが走り、ツノが右の方の頭に1本現れ、

目は薄く赤色になる。




「あーやっぱ楽!うん、こっちの方が!

で、なに?」




……無視ですか。

なにこの沈黙、耐えられない。


じーっと顔を見られてるよね、私。

えと、変ですか。



そんなに変ですか、滑稽ですか!


分かります分かります!ツノは1本で目が薄い赤なんて、中途半端すぎて笑っちゃいますよね!




「許してあげるから笑っていいよ⁉︎」



< 88 / 304 >

この作品をシェア

pagetop