鬼姫マラントデイズ
…と言ってもなんだかんだ人間界に慣れて来た今日この頃。


学園から超・近いところに私は住む。


なんと…徒歩1分もしない高層マンションの2階です。


………上から。


35階建ての34階。

たったその階には2部屋しかないうちの1室を借り、私はのんびりと暮らしていた。



鬼の村で人間界の最新情報の本をいつも読んでたせいで、「これがあれか!」ぐらいにしか思わなかった。


特に感動したのもあったよ、そりゃ!



人間界に慣れるために電車とかに乗って田舎の方に行ったら、まるで鬼の村のような緑が広がるところもあったし、

頂点が白い山もすっごい綺麗だったし!



コンクリートジャングルと呼ばれるところにも慣れて来たしね。



ちなみに今の私は…髪はそのままだけど目は黒だし、ツノはもちろんない。


ハーフでもやっぱり私は鬼の一族、族長の家柄だもん!



妖力は私世代の子たちでは…あの幼なじみの彼の次に強かったし!



……ちなみに幼なじみに勝ったことがあるのは小さい頃だけだ。





ま、まぁそれはともかく!今は私は前を見なきゃ!



……鬼のことなんて忘れなきゃね。




自嘲気味に少し笑ったところで、教頭先生の声がマイク越しに響いた。




「次は、生徒会長の話です。

高等部2年、平井大地(ひらい だいち)君、壇上へ」



その言葉と同時に講堂の中はザワついた。









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