私の彼は獅子舞男子❗️
え⁉︎ いきなり⁈
「ほら、お前も入れよ…!」

いきなりそう言われて、頭が真っ白になった。
「え⁉︎ シシ…マヒ⁈」

彼は黙って、その細いのに筋肉質な左の腕でわたしをぐいとひき込んだ。

獅子舞の中に。

わずか布一枚、
それだけの世界。
獅子舞の中。
彼の、匂い。
彼の、汗と体。

その極く狭い空間の中から、
外の祭囃子と、喧騒に気づくのに、ずいぶん時間がかかった気がする。

彼が目の前にいる、わたしは彼の後ろで、獅子舞の、体の部分にいる、体の部分を担ってる。いつのまにか。

彼は、獅子舞の、頭のところ、あの、口をパカパカさせて、子供達の頭を齧るあれ、
を担ってる。
パカパカ
パカパカ
って、
子供達の頭を、齧ってる。

彼は、子供達の頭を齧って、
彼らの幸せを齧り願っているんだ……

わたしの胸の中心が、なんだか締め付けられるような、痛いような感じがした。

なんでだろう、
ただ、獅子舞の体の部分から、獅子舞の頭の部分の彼を感じているだけなのに……。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop