【短】俺の花嫁!
私、花嫁になりました。
『お願い!茉央!私を助けると思って!ね?』
花の金曜日。
社会人になって3年目。
大分社会のルールというものが体に染み込んで、学生時代を羨ましくも懐かしく思い始めたころ。
高校時代からの親友である薫の家に呼び出されたと思ったら――、
「えー…。嫌よ、パーティーなんて…。」
薫に、日本有数の財閥や企業が集まるパーティーに出席してほしいと、懇願された。
目の前に出された、薫特製ドリアに進んでいたスプーンは、数分前から止まったまま。
『そこを何とか!』
「欠席します、って先方に伝えたら?私なんかの庶民を代わりにするよりも。」
そんなことできないから頼んでるの!と、薫は顔の目の前で手を合わせて懇願する。
金持ち主催のパーティーなんて、私には不釣り合いな場所なのに。
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