【短】俺の花嫁!
「でも、俺は茉央の両親に会いたいんだ。すぐにでも。」
『えっ、……そうだったの…?』
知らなかった、とまた恥ずかしそうに俯く茉央。
すぐに彼女の両親に挨拶したいのは、俺が彼女と付き合っているということを、知ってもらうため。
そして、彼女に舞い込むだろう結婚話を、俺以外に阻止するため。
俺が彼女の婚約者だと知ったら、誰も彼女に見合い話なんて持ち掛けないだろう?
「本当は明日にでも行きたいところだけど、」
『えっ!?』
「茉央の御両親の都合もあるだろうし、来週に行こう。茉央から連絡しておいてくれる?」
『え?あ……う、うん。』
諭すように笑顔を向けると、茉央は顔を赤くしながら頷いた。
『あの、そんなに期待しないでね?』
「え?」
茉央の返事に満足して、美味しいナポリタンを食べていると、茉央から遠慮がちな声が掛かった。