不器用な俺の恋
結と付き合い始めてからわかった

結は、かなり具合悪い

病気のこと聞いたから…

医者の息子だからか…

だけど、結は病院に行かない

保険証持ってないって



俺は、結と仲良かった林 信也が便所に入るのを見て、追いかけた

林を個室に押し込み

「しっ!!」

黙らせた

ポケットから、ペンと紙を出して

〝誰にも気づかれないよう、結の保険証を貰って来て欲しい 佐山先生にたのめるか?〟

林が頷く

〝よろしく〟


林はすぐに動いてくれた

保険証が俺のところに来たのは

翌日、便所に行ったとき林が渡してくれた


だけど…


結は叔父夫婦に暴力を受けたみたいで

動きがおかしい

恐らく、昨日すぐ佐山先生が行ってくれて

帰ってからやられたんだ


しまった…

保険証が欲しいと言い出せないのは

暴力が原因だと忘れていた


しかも…


菅井にそれがバレた

バシッーン

結は菅井から左頬にビンタ食らう


菅井が、結の荷物をあさる


保険証を結が持っていないことを確認し


「本当にお前が頼んだんじゃないんだな?」

「うん」

「何でも、俺に言えよ?」

「うん…菅井先生…ありがとう」


これは、マインドコントロールか?

結は、菅井を好きになる努力をすると

確かに言っていた


だけど…


素直すぎだろ…


左の口角を切ったみたいで、赤く腫れていた

昼休み、結と学食へ

手を繋いで中庭を歩いていると

スポ進の窓から
森田、林、松本、佐山先生が顔を出していた

結の顔みりゃそうなるわな…

4人の方に向かって、口の前で人差し指を出した
声かけられたら、困る!
それから…苦笑いをしといた

俺のせいで殴られた

だけど、病院に連れて行かないと

結の保険証は、見つからないように

隠してある

「一緒に住まないか?
俺、手を出さないから…家出てこいよ!」

「祥斗でしょ?」

「へ?」

「保険証」

「は?」惚けてみる

「無茶しないで!!まったく!!」

俺の仕業とわかっていたから

あんな素直だったらしい

「だって… 」

「だってじゃないよ!もう!!」





なんだかんだで


俺達は一緒に住むことになった



卒業までは、俺が彼氏!

結を守る!




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