不器用な俺の恋
三日後
体育祭も無事に終わった
また平穏な日常… とはいかず
その日は、健ちゃんの月命日で
昼休み、結が久しぶりにベンチに座った
梅雨とか忘れるくらい天気よかった
5限は佐山の授業だから、昼飯は3人
結のことチラチラッと見てしまう
イヤホンで何聞いてんのかな?
落語かな?
普通科棟から、菅井が出てきて結に声かける
聞こえてない?
「七瀬!!七瀬!!おい!!」
ぐにゃりと結が菅井の方に倒れる
ゾッとする感覚だった
佐山が「お前ら、静かにしてろよ!!」
と吐き捨てて結の所へ
中庭に面したスポーツの全学年がざわめく
「教室から出るな!静かにしろ!!
菅井先生!!俺、救急車呼びます!」
佐山が職員室へ向かう
「七瀬!!しっかりしろ!!七瀬!!」
佐山が木谷先生と戻ってくる
まだ意識が戻らなくて、木谷先生が呼吸とか確認していた
到着した、救急隊が担架に結をのせて行く
「健ちゃん…結を連れてくなよ…」
俺が言うと、昼飯から戻った浩一が
「大丈夫だ!!」
俺の背中を撫でてくれた
5限
佐山が言った
看護科があって、スポーツ高だから教師は
皆、応急救護の資格持ってるらしい
菅井は、佐山より10歳上で今までに何人か
意識のない生徒を見ている
それなのに、今回は焦ってて
あまり経験がない佐山にも、よくない状態だって、わかったって…
それでも
「皆!七瀬を信じような!」
力強くそう言った