不器用な俺の恋
特特進の授業には、薫の授業もあった

今日は、気持ちが不安定だった

自分でも笑いそうなくらい

手が震えてる

あたしは、目が見えなくなってきたことも

胸の痛みも医者に言わないでいる

休み時間、吐き気がしてトイレに行った


吐血した

初めてじゃない

何度も繰り返している

息ができなくて、苦しかった

いつまで隠せるかな…


「七瀬…七瀬…」

「へっ!」

「俺の授業は、退屈か?」

「考え事してました!えへへっ」

「具合悪いんだろ?森重、保健室に頼む」

「はい!」

「いいよ!1人で行く!」

「七瀬行こっか?」

「お世話になります…」




立ち上がったら、思いのほかふらふらした

しげくんに肩を抱かれ歩く

なんか、舞ちゃんに悪いと思った

「しげくん、ごめん…」

「何で謝るかな!ありがとうだろ!」


しげくんの方を見ようとしたら、目の前が
グラッて揺れた

目を開けたら天井が見えて、両目とも
視界良好で

「七瀬!!」

しげくんがのぞき込んでて

それがよく見えるから、嬉しかった

「ふふっ…あり…が…と」

久しぶりに心から笑った気がする

凄く心配している、しげくんには悪いけど

何で今、こうなってんのかわからない

倒れたのかな?

薫や他の先生も来た

しげくんが呼んでくれたのかな?


『こっちくるか?』

まわりで色々な声がする中
懐かしい声がはっきり聞こえた

天井に健ちゃんの姿


「け…んちゃ…」


左手を健ちゃんに差し伸べる

「駄目だ!!」

しげくんから手を掴まれた







「も…や…」

もう嫌だ そう言いたかった



そこであたしは意識を失った




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