不器用な俺の恋
「恭くん」

梨絵に呼ばれて、ビクッてなった

「あ?なに?」

「イルカ見てない!」

「わりい」

「七瀬先輩ばっかり……」

「え?」

「今日、ずっと……」

「いや、ごめん…物珍しさで……」

苦しい言い訳だろ……俺、才能ないな

「梨絵も、あんなにラブラブしたいな?」

「え?ああ…俺は、場所わきまえます!」

「うん」


ちょっと、ションボリした梨絵の頭を

撫でてやると、こっち見てニコニコする

単純……助かるけど



ショーが終わってから、買い物タイム

結と浩一は、イルカ見るって…居残り

水族館のレストランで、待ち合わせになった



時間になっても現れない2人……



息を切らして浩一が1人戻る


浩「わりい、別行動でいいかな?」

俺「結に、なんかあったのか!?」

浩「いや、イルカと浮気中?」

松「は?」

浩「そういうことで、先に帰っててもいいから!!」

浩一は、言うだけ言って来た道を戻る

蘭「どういうこと?」

松「さあ?まぁ、いんじゃね?」



食事中



梨「七瀬先輩って、恭くんや松本先輩と
同じクラスだったんですよね?」

松「2年のときね!」

梨「学校であんまり、話さないですね」

松「まぁね?なんで?」

梨「なんか…ヘンだなって」

蘭「ヤキモチ?」

梨「え?」

蘭「森田くんが、ナナちゃんを結って言ったの、ヤキモチ焼いたんじゃない?」

梨「////そうかもです」

蘭「森田くんの彼女は、梨絵ちゃんなんだから、気にしないの!!」

梨「はい!」

俺「ごめん…不安にさせて……」

松「お前らまで、いちゃつくな!!」

俺「あいつらと、一緒にすんな!!」




食事終わってから、水族館のまわりを散歩した

松本達は、俺らの少し先を歩いていた


会話が聞こえない距離


俺は、梨絵との会話に集中できなくて
から返事ばかりしてたと思う

会話の内容なんて、全く覚えてなかった


松本達が騒がしくて、顔を上げる

「結」

無意識に呟いてしまった


梨絵が泣き出した


皆が心配そうに、こっち見てて


俺らの方に来た

「七瀬先輩ばっかり…
恭くんの前から、いなくなってよ!!」

梨絵が結に言った


「元々、いないから…
勘違いしないで… 帰る!」



結が、スタスタ歩く

浩一が俺をチラッと見てから結を追いかけた



どうにか梨絵の機嫌をとった



こんな時、キスしたり、抱いたりなんて
するもんじゃねぇな…




いつもより、虚しかった



梨絵は、もっと辛かっただろうな…






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