不器用な俺の恋
放課後、片付けの予定だったけど

叔母さんから、髪をどうにかしなさいって…怒られて

美容室に行くことになった

その前に見せたいものがあるって

結の部屋に来た

まだまだ片付けの途中だ

「本当は、片付けをしてから、言いたかった」 と前置きをして

結が制服のシャツを少し開いた

「消えないみたい」

「そっか」痣やタバコの跡があった

「コレ、去年の夏、脳の手術した」

「そっか」

「多分、再発してる」

「そっか」

「目が見えなくなる」

「そっか」

「誰にも言ってないんだけど、
時々、吐血してる」

「うん」

「驚かないね?ひいた?」

「驚いたよ!それより、結が言ってくれて嬉しいよ!」

「そう?しげくん…あたし…薫としたの」

「うぇ??」 したというのは…

「薫には、内緒だけど子供できて、流産した」

「付き合ってたのか?」

「ううん。1度きり。いつ死んでもおかしくないって言われた日に、こんな体だし…
抱いてって…無理言ったの
健ちゃんや祥斗とは、キスだけ…」

「そっか…ははっ 」

「きらいになった?」

「まさか!?むしろ、ちゃんと好きになった相手としてないってわかったから、俺が初めてになるなぁって…」

「あっ…恭ちゃんともキスした」

「それは、知ってる」

「え」

「恭が言ってたから…」

「男同士でそんな会話するんだ?」

「俺は、言わねぇけどな」

「むっつり?」

「おまえなぁ!!」

「うそ!ふふっ!しげくん、ありがとう」


手を繋いで美容室に行った



俗に言う、おかっぱか?

色も真っ黒で、コケシみたいだった

家までの帰り道

「コケシちゃん!」

「なに?」

「ぷぷっ」

「なに?」

「コケシで、返事すんなよっぷぷっ」

「笑うな!!」

「ごめん…かわいいよ!」

「/////しげくん…ズルイ」

「なにが?」

「結が喜ぶ言葉ばっかり、さらっと言う」

「え?嬉しんだ?」

「まあね~」

「キスしたら、怒る?」

「/////」

「ダメ?」 ちゅっ

「/////」

「はぁーー待ち遠しいなぁー」

おでこにキスした

早く、俺を好きにならないかなぁ

「しげくん…」

「なに?」

ちゅっ

え ええ えええええ

「/////待っててね!」

ほっぺたに、キスしてくれた!!!!

「待つしかねぇだろ!!うっしゃ!!」

「あはは!なにそれぇー!!うっしゃ!」


寮に戻ってからも、ニヤニヤと顔が緩む

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