不器用な俺の恋
「どうにか調べて、会いに行こうと思ってるんだが…」
「先生!!俺、手紙書く!!」
「俺も!!」
「俺も!!皆で書こう!!」
「わかった!!俺が、必ず届ける!!」
登校日までに、手紙を書くことになった
結……
なんで、1人で頑張ろうとするんだよ!?
結には、こんなに家族がいるのに
男ばかりで、むさ苦しいだろうけど
皆、大好き!!って言ってただろ?
皆も、結が大好きなんだぞ!!
勝手に遠くに行くなよ……
俺は、両親に結のことを話した
母は泣いていた
父は
「帰ってきたら、一緒に暮らそう!
いつまでも、高橋さんに、お世話になるわけにもいかん!結を引き取ろう!!」
本気で養子に迎えると言い出した
何でもいい…
結を守れれば…
たとえ兄妹になったって…
いつもなら、浮かれて始まる夏休み
結からのメッセージを見る
たった2件
小さなポケベルにしか、結を感じられない
結が1人で泣いてる気がして
俺は泣いていた
ピロピロ♪
〝ヒマ ユウ〟
一気に涙が引っこんだ!!
公衆電話まで走った!!
結は、病院だってわかってる
電話かけちゃ行けないってわかってる
でも、かけてみた
「もしもし~?」
「結?俺…」
「恭ちゃん?」
「うん……」
「なんで、公衆電話?」
「いや、家だと親いるし…」
「え!お父さんとお母さんと話したかった!!」
「……コノヤロウ!!」
「ぷふっ!!ごめん!!」
「病院だろ?」
「うん!今は外だよ?散歩してる!
病院内では、電源切ってるからねー」
「そっか。さみしいな…」
「今度は、あたしが恭ちゃんちに電話するよ!お父さんお母さんと話したいし!」
「もっとさみしくなった」
「なんでよー?」
「だって……」
「なに?」
「ぜってぇー俺に電話まわってこねぇ!」
「あははははは!!!」
「笑い事じゃねぇ!!」
「恭ちゃん、面白いね?」
「全く面白いことありません!!」
「そろそろ戻るね?」
「うん…」
「電話、ありがとう!!」
「ん」
「ん」
プー プー ……
会いたくなったじゃねぇーか!!!
しまった……
病院の名前、聞き忘れた