不器用な俺の恋
【結の気持ち】
東京の病院で、脳の手術を受ける
血の塊を採れるという、医者がいた
とても難しい手術
だけど…このままじゃ、卒業出来ない
少しでも長く生きられるなら
あたしは、決心した
あたしの体は、血を造るのが下手
今まで、ずっと
手術用に輸血する血を採っているけど
採るたびに具合が悪くてたまらない
何か月もこれをやってる
もしも、両目が見えなくなった時の為
入院前に点字も覚えた
アイマスクを使って歩く練習もした
杖も慣れた
怖いけど……大丈夫!!
良くなって、皆と卒業する!!
大丈夫!!
大丈夫!!
何回も大丈夫!!と自分に言い聞かせた!
今日は、調子がいい
「七瀬さん!お客様よ!」
先輩だろうな!
手術のことは、先輩にも話していない
あたしは今、無菌室にいる
貧血が酷すぎて、抵抗力がないから
上半身を起こし、髪を整える
「はねてない?」
「大丈夫よ!開けるわね!」
看護婦さんがカーテンを開ける
驚いた!!
先輩の隣に薫がいるんだもん!!
多分……間抜けな顔した、恥ずかしい!!
両手をほっぺたに当てた
色々な意味で、熱が出そうだ!!
「これ、持ってきてくれたわよ?」
「すごい!!クラス皆の手紙だ!!」
「よかったわね!!」
「内緒で来たのに…」
「北島さんから、「あたしは言ってないから」って伝言頼まれたわ!」
「あはは、ちょっと疑った!!」
「ありがとう!!」
2人に向かって手を振った!!
点滴の方の手だったから、看護婦さんに
怒られた……
2人が笑ってた
すぐ近くにいるのに……遠い
だけど…すっごく嬉しくて
看護婦さんがカーテン閉めるまで
ずっと笑い合って、手を振った!!
早く、帰りたいな……
皆に会いたい!!